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『ピポパポ!
え~、時守・白・鳳条・黒威・龍崎!放課後に俺の部屋に来い!』
(部屋?!私物化している!)
ただ今の時間、昼休み。誰もが午後の授業に向けて一息をついている頃、音量MAXで放送は流された。校内、校外関わらず全員がその放送を聞き、ツッコミを入れた。もちろん、五人の耳にも入っていた。
「いまさ、口で言っていたよな、最初の音」
「うん。何をしたいんだろうね、あいつ」
弁当(遼のお手製)に箸を伸ばしながら雷と昴は言葉を零した。他の三人は放送の内容の意味を考えていた。その中でも遼は箸を止めた状態で黒いオーラを漂わせていた。
「部屋って、自室じゃねえだろ…」
「(怖い…)気まぐれか、仕事か」
「どちらにせよ、あいつが原因であることに代わりはない」
「…面倒」
遼の言葉に荒が重ねると、武はため息混じりでつぶやいた。
「荒、面倒なのは遼だ」
「聞こえているぞ、武」
「えっ、いや、そういう意味では…」
「どういう意味か説明してくれるか?」
どうなんだ、と目が笑っていない遼に武は冷や汗をかきながら状況の脱出を考えていた。
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