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「ひ、被害が一番大きいのは遼だという意味だ。俺達のなかで遼が一番面倒な仕事をさせられているから(汗)」
「ほう?まあ、それもそうか。まあ、いまはいい」
(ほっ、助かった…)
遼が目を武から外すと、詰まっていた息をゆっくり吐き出した。遼の空気が変わったのを確認してから、昴が恐る恐る問題をだした。
「りょ~おぅ、どうする?」
「無駄に伸ばすな、ウザイ」
「うっ、…どうするんだ?放課後」
「…どうしてやろうか」
((((く、黒い…!))))
うっすらと笑う遼に、四人は犯人の冥福を祈った。だが、すぐに笑みを引っ込めると、しばらく考え込んだ。
「今日は用事があるといって断るか、めんどくさい」
「ああ、言い忘れたが…」
遼が腰を上げようとしたと同時にその声が聞こえ、全員の動きが止まった。
「お前達に拒否権はないから。…これ、うめぇな」
ぱくぱくとお弁当を食べている人物を確認するやいなや、昴が声を出した。
「…んで、」
「んあ?」
「なんで、お前がここにいるんだよ!てか、俺のご飯!
さっきの放送から5分しか経っていないだろ?!」
「頭を使えよ、頭を。録音とかあるだろうが。そんなんだからいつまでたっても馬鹿呼ばわりなんだぞ」
卵焼きを口に入れながら神出鬼没な男は、自前か染めたのか鮮やかな朱の頭を指さしながら昴を鼻で笑った。
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