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「だが、さすがは俺の時守だな。無意識の間に俺の手助けをしてくれているとは…」
「「誰が(お前/あなた)の時守(だ/ですか)」」
『グシャ』
『ガンッ』
妙な笑顔を浮かべた会長にキレた遼は、顔を地面に沈めるが如く、手加減なく頭を踏み付けた。しかし、踏み付けた所に頭はなく、隣にいたいつ現れたのか分からない女によって、遠くに蹴られていた。遼は会長が動かないのを確認してから、女の方に笑顔を向けた。
「あ、副会長。こんにちは」
「こんにちは、時守君。
あと、黒威君、白君、鳳条君、龍崎君、こんにちは」
遼の笑顔に笑顔で返した副会長は銀色の長い髪にアクアブルーの瞳の美しい女性である。副会長は他の四人にも笑顔で挨拶をした。
「昨日ぶりです、副会長」
「…ちは」
「こんちは、副会長!」
「こんにちは。相変わらず、お綺麗で…」
武は淡々と、荒は口少なめに、雷は元気良く、昴はわざとらしくお辞儀をしながら挨拶を返した。
「いつも、迷惑をかけてごめんなさいね。ちょっと目を離した隙に逃げられちゃって…」
「いえ、副会長のせいでは無いですよ。悪いのは仕事をしない役立たずなんですから」
「でも…」
「副会長が一人ということは、書記も逃げていますね。捕まえるのを手伝いますよ」
「時守君…」
遼の言葉に副会長は頬を染めながら笑った。明らかに、二人だけの世界の外で、四人は面白くなさそうにしていた。
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