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「ふぅ…、少しはすっきりしたかな」
遼は肩を回しながら、服の埃や汚れを払った。その足元では会長だった物体が転がっていた。
「…これだけして」
「少しだけ…」
その物体を見て、四人は顔を青ざめていた。自慢(?)の朱い髪は土がまみれ、顔は髪と同じくらい赤く腫れ上がっていた。唯一、目の部分だけが無事に残っていた。
「大半はお前達がしただろ?」
「いや、そうだけど…」
「流石に、顔は…」
四人が主に攻撃を加えたのは、一応服で隠れる場所にしていたのに比べ、遼は顔を中心に攻撃していた。
「なにか…」
『モンダイデモ?』
「「「「イエ、ナンデモアリマセン」」」」
この時、四人の目には遼の背後にうごめく影が見え、耳には遼以外の声が聞こえ、辺りの気温が下がったのを感じた。
「さて、早速だが、書記を捕獲しに行くか。捕獲次第(リンチを行った後)、馬鹿共々生徒会室に縛りにいく」
『了解しました』
四人に指示を出した後、遼は思い出したかのように副会長の方に振り向いた。
「あっ、副会長。馬鹿はどうしておきますか?
縄はありますが…」
((((なんで、持っている?!))))
「では、木にでも縛り付けてもらえますか?
私では連れていけないので」
「分かりました」
四人の声無きツッコミを流しながら、遼はテキパキと会長を木に縛り付けた。と、いうよりも縛り吊した。
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