遼ファンクラブの原点

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後日、とある教室での事 「ねえ、昨日王子様に会ったの」 「夢の中で?」 「違うよ、現実で。すっごい綺麗な人で喧嘩がすっごい強いの」 「へええ…」  朝の教室の中で窓際に座っている女子二人は話しに花を咲かせていた。 「帰りも腰抜けた私を抱っこして送ってくれたの。しかも、同じ学校らしいの」 「まさか~。そんなのいたら噂になっているはずだし、ファンクラブも出来るはずだよ」 「だけど、本当だよ。おかげで怪我も軽くで済んだし」 「そんな事より、いい男いないかな。彼氏が欲しい!」 「もう、ちゃんと聞いてよ」 「はいはい、聞いてますよ。あっ、あの人達いいかも」  片方が指をさした先には遼達の四人が話しをしながら歩いているのが見えた。 「あっ、あの人、あの人だ」 「えっ、どれどれ、どの人?」 「ほら、真ん中の髪が長い人!」 「…ほんとだ、綺麗な顔ね、タイプかも」 「そうでしょう。それに、周りにいる人達もカッコイイし」 「名前は分かっているの?」 「うん、紳士的に『時守遼』って教えてくれたの」 「学年は後で調べれば分かるから。…そこまで分かっているなら、ファンクラブ作らない?」 「えっ、いいのかな~…」  友達の言葉に迷いの色を見せるが、友達はこんなチャンスを逃さなかった。
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