流石の僕もこんな超展開を黙認するほどできた人間じゃないね。

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煩悩を退散させるとかと言われている鐘の音が鳴る。 その鐘はいうまでもなく除夜の鐘と呼ばれているそれであり、その一年に一度しか行われない行事が行われている今この時は、やはりいうまでもなく年の始まり。一月一日であり、元旦。 ちなみに時刻にして午前一時半。毎年恒例の年末歌合戦的番組はとうに終了を果たし、別にやることも何も無い僕はおとなしくベッドに潜り込み今年最初の惰眠をむさぼろうと勇み立っていたんだけど。 如何せん、眠れやしない。 誰かあの安眠妨害の鐘をどうにかしてくれないかな。というより一時間弱も鐘を叩き続けて和尚さんは腕が疲れないのかな? なんにせよ年に一度の騒音に耳をいためつつ、仕方なしに煩悩の種類を数えようかと考えて三秒足らずで思考放棄を果たした僕は、睡眠なる行動を諦めて暖かいベッドから身を起こした。
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