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「何だってこんなめんどくさい事に……」
少年は困っていた。
というよりはむしろめんどくさがっていた。
「あんた、下がってなさい」
目の前の小学校3か4年生位の肩までかかりそうな茶髪の右手に先端に黄色い球体の宝玉が付いた白い棒を持った少女が言い放つ。
そして少女は目の前にいる3メートルはあるだろう黒い亀の姿をした相手に向き合う。
少女は少年を知らないが少年は少女を知っている。
いや、多少の語弊がある。
少年は少女を“知識の中で”知っているのだ。
少女と向き合う亀よりも少年は少女の方に驚いていた。
何故なら彼女は“アニメの世界にしかいない存在”だからだ。
なぜこうなったのだろうか、少年は記憶を掘り返す。
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