序章 出会い

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「あ~あ、オレもあっちの女がよかったぜ」 「まったくだ。男の悲鳴なんか聞いたって、ちっともそそられやしねぇ」 男達がアクセルに詰め寄ってくる。 「やめて……!!」 「おっと……あんたの相手はオレだぜ?」 ルナの行く手をリーダー格の男がふさいでいた。 「逃げて!! はやく!!」 ルナは必死で叫んだ。 「はは……逃げられるわけないだろ……」 アクセルはすでに壁際まで追い込まれ、前方は男達に完全に塞がれていた。 「さて、さっさとやっちまうか」 「おいおい、半殺しだぜ?わかってんのか?」 「わかってるって~の」 男のナイフがアクセルの眼前に迫る。 「ナイフで半殺しってのも難しいよな?」 「……!?」 男の言葉が終わるや否や、アクセルの腹部に鈍い痛みが走った。 「やっぱ半殺しなら殴るしかねぇよな」 最初の一撃を皮きりに、男達が一斉にアクセルに殴りかかった。 「がはぁっ……!!」 顔、腹、背中……様々な部位を立て続けに殴られる。骨と骨、肉と肉がぶつかり合う鈍い音が路地に響き渡る。 アクセルの体はみるみるうちに傷だらけになり、立ち上がる力もなくなりかけていた。 「く……そ……」 「なんだよこいつ、一人で飛び込んで来たわりに全然たいしたことないじゃねぇか」 男がアクセルの髪の毛を掴む。 「はっ……離せよ……」 アクセルは屈しようとせず、男の顔を睨みつけ、足に唾を吐いた。 「てめぇ!!」 男は顔を赤く染めるほど激昂し、アクセルの顔を手加減なしで殴りつけた。 激しい痛みが一瞬襲った気がしたが、アクセルはすぐに何も感じなくなった。 (ちくしょう……こんなことに……関わらなけりゃ……よかった……) アクセルの視界がどんどんと薄れて行き、暗闇へと落ちていった。
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