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「死ね!!」
タクスのナイフがアクセルへと迫る。アクセルは気絶している。ルナは思わず目を閉じた。
「こっちだ!! さっきから物音がするのは」
「男が倒れてるぞ!! なんなんだ一体!?」
路地に何人かの人の声が響き、タクスはアクセルの寸前でナイフを止めた。
「くそ!! 時間をかけ過ぎたか……!?」
突然タクスの手元に何かが飛んで来て、手に持っていたナイフを弾き飛ばした。
「ちっ……なんだ今のは!?」
空中を回転しながら飛行するそれは、少女の手元に戻った。
「チャクラム………姫……あんたか」
「私が戦えないとでも思っていたのかしら?」
ルナは再びチャクラムを構えた。
「この先だ、声が聞こえるぞ!!」
人の声も近づいている。
「ちっ……退くしかないか……姫さんよ、命拾いしたな」
タクスは路地を囲う建物の屋上へ、飛び上がった。
「そのガキに言っとけ、次会うまでに自分の墓を用意しとけってな」
そう言い残して、タクスは夜の闇に姿を消した。
「……私達も、人目につくのはまずいわね」
そう言うとルナは、アクセルに向けて手をかざした。するとアクセルの体がふわりと浮かび上がった。
「転移(テレポート)」
ルナの声を合図に、光が二人を包み込む。一瞬強く輝くと、光は空へと登って行った。
光が収まった後に、二人の姿はなかった。
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