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「ここは……どこだ?」
アクセルは真っ暗な世界の中に立っていた。
「オレは確か……」
(ここは、お前の中さ)
突然、世界全体に声が響きわたった。
「誰だ!?」
(オレは……お前だ)
「何!?」
アクセルの目の前に、白い影が姿を現した。
(早く目覚めろ……オレをここから出してくれ)
白い影はそう言い残し、飛び立った。
「おい!! 待てよ!! お……
い……っ………はぁ、はぁ」
アクセルはベッドの上に横たわっていた。ぼやける視界の中でろうそくの火が揺らめくのが見える。
「ここは……いまのは夢か……」
「あら、目が覚めたのね」
扉がゆっくりと開き、部屋の中に少女が入って来た。
「ルナ……無事だったのか」
「えぇ、あなたよりわね」
ルナは、ベッドの横にあった椅子に腰掛けた。
「学校の時と、ずいぶん雰囲気が違うな」
学校での彼女の印象は、清楚で可憐。触れることを許されない高嶺の花。しかし、いま目の前にいるルナは、怪しい笑みを纏い、妖艶な美しさを醸し出している。
「転校生ですもの、大人しくしていませんと」
「ふーん……ところでここは何処なんだ? あの連中はどうなった?」
「……あなた、何も覚えていないの?」
ルナはアクセルの顔を困惑の表情で見つめた。
「どう言うことだよ?」
「そう……いいわ、話してあげる」
ルナは先程までの出来事を話し出した。
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