詩集

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この連休中もあいつが来た あいつは、スピードアップの為に開発された車両 急カーブでもオートバイみたいに車体を傾けてハイスピードで走り抜けていく 乗り心地は、独特 車酔いみたいな症状になる事があるが 沿線の眺めは格別 時計の針が午後3時を指し ついにあいつとの別れの時が来た 遠くから真夏のような日差しの中を挨拶替わりに軽く警笛を鳴らし美しく華麗な走りで近づき俺の前を足早に過ぎ去って行った 俺は、名残惜しむようにあいつの後ろ姿を見た時 心の中でこう叫んだ さよなら 希望に満ちた春 ギラギラの太陽に照らされ木々の緑が濃い夏 山々が黄色や赤色に美しく染まる秋 一面の銀世界になる冬 様々な季節の中を休む事なく走り続けたね お疲れ様 俺を含め沢山の人の夢や希望を運んでくれてありがとう 逢いたくなったらいつでもこっちにおいで 待っているから…。
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