第一話 巻き戻る時間

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一週間程続いた雨も止み久しぶりの快晴となった日、野上良太郎はバイト先である本屋へと自転車で向かっていた。久しぶりの晴れということだけ有って公園では一緒に遊ぶ親子連れの姿が多い。良太郎はそれを和やかな気持ちで眺めながら自転車を漕いでいると、思いっきり街路樹へと突っ込んでしまった。おまけにぶつかった衝撃で昨日まで降り続いた雨のせいで街路樹の葉に付いていた雨粒が一斉に良太郎に降り注いだ。 「イテテ・・・これからバイトだっていうのにビショビショだよ~」 しかしこういうことは日常茶飯事である良太郎は気を取り直して再び自転車に跨がった。その時だ。良太郎が異変に気付いたのは。 公園いる親子連れの動きがピタリと止まっているのだ。
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