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わざわざ雨の中を歩いてくるはずは無い。
やがて近づいて来る男の顔が見え始めた。良太郎はこの時今まで感じたことの無い程の衝撃を受けた。まさかアイツが・・・!?でも、有り得ない・・・。あの時確かに消えたハズ・・・。しかし間違いようが無かった。ツンツンにたった短い黒髪。この雨の中でも首に巻いた赤いマフラー。腰の辺りまでしか無い短い黒いマントのようなもの。そして、顔中に湛えられた何処か不気味さを感じさせるあの笑顔。紛れも無い、カイが良太郎の目の前にいた。
カイ・・・かつてイマジン達を操り自分達の時間を手に入れようとしていた男。しかし、最終決戦の場においてデスイマジンが敗れると同時に、多くのイマジンと共に消滅したはずだが・・・。
カイが口を開いた。
「野上良太郎、久しぶりだな。お前に会えて本っ当に嬉しいって気がするよ。俺、今そんな顔してるだろ?」
「何で君が・・・?君はあの時確かに消えたハズだけど・・・」
そんな良太郎の言葉を遮るかのようにカイがまた言った。
「そんな事はどうでもいい。それよりもあの時はよくもやってくれたな。今度は俺がお前を消してやる!!」
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