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「だからこそ素直な気持ちを忘れちゃいけないのよ」
楓はテレビから視線を外すと私のほうを向いて言った。
「私はそれを友輝から教わった。お姉ちゃんだってそうでしょ?」
「呼んだ?」と振り返る友輝に「お姉ちゃんも一緒に見る~♪」と楓は楽しそうに近づいていった。
友輝から教わった…か。
確かにそうかもしれない。
幼い子供ならではの素直さ。
言い訳のない真っ直ぐな謝罪。
いつの間にか忘れてしまったそれらを友輝は思い出させてくれた。
私も…見習わなければいけないな。
その時見つめた弟の背中はなんだか大きく見えた気がした。――…
~end~
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