beautiful tear

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  「い~やっ!!コレは絶対に出すからねっ!!」 そう言って谷口はカメラを抱えて教室を飛び出した。 「あっ、コラ!!」 慌てて追っかけようとした時にはすでに廊下の端まで遠のいていた。 「……速っ」 追いかけるのを諦めて廊下にしゃがみ込む。 ため息を尽きながら階段へと消える谷口の姿を見送った。 「…ばらまかれたりしないだろうな」 …あいつならやりそうだ。 なんとなくだけど。 どうしようもなくやるせない気持ちになりながら俺はトボトボと帰宅した。 ―それから数日が経って あれから谷口に逢うことはなく、しばらくは気にしていたあの写真の事も俺はすっかり忘れていた。 いつものように友達と学校へ向かうと玄関前の掲示板にいつもは無い人だかりが出来ていた。 「…なんだアレ?」 隣に居た友達と顔を見合わせるがどうやらコイツも何事だか判らないようだ。 とりあえず側に寄ったがまったく見えそうにもない為、近くの人に話しかけた。 「…なぁ、一体何事なんだ??」 「あぁ、写真部のコンテスト結果だよ。今年で五連続優勝した人がいるんだって」
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