―第1章―

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アナタはいつでも私に元気をくれた。 8才の頃、転入してきた学校でイジメにあった。 『大丈夫?』 心配そうに私を見つめるアナタは私をそっと抱き締めてくれたよね。 抱き締められた途端、涙がこぼれた。 イジメられるのは慣れていたケド 助けてくれる人はいなかった。 だから すっごく嬉しくて心のモヤモヤがスッキリしたみたいだった。 それから私とずっと一緒にいてくれて…でもイジメはおさまらなかった。 いつかきっとアナタに迷惑をかける。 それが一番イヤだったんだ。 大好きだったから。 アナタに『もう会うのやめよう…ゴメン』と言った時 アナタが涙を流すなんて思わなかったんだ。 それから数日後 急にアナタが転校するなんて思ってもみなかった。 本当に会えなくなるなんて。 重たい気分で家に帰ると 家の前に 愛しいアナタが立っていた。 アナタが私に気付くと 『待ってて。必ず迎えに来るから。そしたら僕と結婚してください。』 アナタにそんな事を言われるなんて思ってもみなかった。 『うん。待ってる。』 私がそう言うとアナタは私のおでこにそっとキスをした。 『じゃあね。』 そう言うと私の前から去って行った。 そして次の日のお昼。 私は家でテレビを見ていた。 チャンネルを変えていると飛行機の事故の速報が流れた。 見ていると 私は目を疑った。 テレビには 愛しいアナタの名前が 死亡者の中にあったから…
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