いつくしみ深き

音楽室で話そう

いつくしみ深き　友なるイエスは

一志が彼女の歌を聞いたのは圭輔と佳乃の結婚式だった。
気持ちを隠してきた一志に優しく押し寄せる愛しい人の声。
隣で歌う彼女の声だけが聴こえていた。

優しく響く彼女の声。
透き通った真っ直ぐな歌声。

初めて、自分から彼女の手を握った。
愛しくて仕方ない。一志の愛は切なく溢れる。

どうか…、このまま。
…俺を受け入れてください…。