おかえり

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寝室にはキングサイズのベッドがある。 3年前、転勤してこっちに引っ越した時、シングル2つかダブルかで意見が分かれた。 別々に寝たい奈央と一緒に寝たい一志。 『ケンカしても一緒に寝なきゃいけなくなるんだよ?キツイでしょ。2つ必要だよ。』 『嫌です。2つにしたら毎日別々に寝ようとするじゃん。』 それまでは結婚する前から一志が一人暮らしをしていたアパートにシングルで、狭いからって奈央は別々に蓮と寝たがることが当たり前だった。 『絶対ダメ。』 結局、間をとって、端端に寝れば放れられるからってキングサイズになったが、ケンカしたら奈央は子供部屋にいくし、今回、出ていくことが分かった。 「奈央。」 広いベッドの端で奈央に大切にしつこくキスをする。 奈央は緊張して肩に力が入っている。 一志は強く自分の服を掴む奈央の手を握る。 奈央は俺の…。 溢れてどうにかなってしまいそう。 一志は奈央が何故か閉め直したブラウスのボタンを外していく。 「待っ…。」 「二度手間させやがって…。」 「待ってっ!」 奈央は本気で一志を引き剥がしてベッドから落ちる。 「何やってんの。何なの?」 「だっ…。」 一志は落ちた奈央を拾い上げ、膝の上に座らせる。 「何でそんなにバカなの?」 奈央の肩にキスをしながら後ろからボタンを外す。 「待ってよっ…。」 奈央はまた一志の手を掴んで止める。 「何?」 「…ワンピース脱いだら…今日、タイツだから…変な格好になるじゃん…。」 「何それ。そんなこと。」 「…。」 奈央はムッとしている。 「…変じゃないよ。甲本ヒロトみたいで可愛いじゃん。」 「ヒロトはタイツじゃない…。」 「よし。じゃタイツ脱ごう。」 一志は奈央のワンピースの裾をまくりタイツを迷い無く遠慮無くずり下げる。 「やめぇ…。」 奈央はタイツを押さえてまた抵抗する。 「何。あなた自分で脱がないでしょ。自分で脱ぐ?」 「パンツも掴んでるっ。」 「どうせ脱ぐんだからっ!もう…、マジ縛るよ?」 「ヤダッ。」 「じゃあ手を放しなさい。」 「…。」 「もう…。早く抱かせてくれる?ちゃんと触りたい。」 「奈央…。愛してる。愛してるよ。」
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