回顧録2~少女が次に奏でるその唄は~

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 年に二、三回見る程度だから確信はないけど、自信ある。  もし当たっているとしたら、私は帰ってきてしまったらしい。  どこに?  決まってる。  「……何で、神宮寺の館にいるの?」  そう、この広さ、この装飾、この空気、今は使われてない思い出のあるあの館ではなく、義兄さんが死んだ後別の場所に建てられた、二つ目の館だ。  帰って来いという連絡がなければ、絶対ここに来る事はないと断言できる、私の嫌いな場所だ。  私の疑問が込められた声は、夜の闇に吸い込まれた。  そして同時に、闇は意図的に消された。  パチンッ、とスイッチが切り替わる音が鳴り、部屋は明かりに包まれた。  突然の明暗の切り替わりに、私は思わず目を閉じる。  少しずつ光に目を慣らし、ゆっくりと辺りを見渡す。  少し離れた所に人の姿が見えた。  「お目覚めですかお嬢様?」  「……はい、寝心地の悪いベッドのせいで、最悪な気分ですけど」  隠す事なく刺を含めた私の言葉に、その人物は苦笑いを浮かべた。  女の人だった。身長は高く、執事のような服装をしていても、赤みがかかった長い髪を後ろでとめ、何よりその女性特有の体形と表情は女の人の物だ。
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