回顧録2~少女が次に奏でるその唄は~

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 何をきっかけにするでもなく、私は目を覚ました。  紛れも無い、朝。いや、枕元に置いた携帯で時間を確認すると、もうお昼に近い。夜中に一回起きたせいで、こんな時間に起きてしまったのだろう。  けだるさが襲う身体を無理矢理動かし、私は上体を起こした。  即座に、薄いカーテン越しに見える人影に気付く。  「おはようございます、お嬢様」  そう言って、人影は頭を下げた。カーテンを開けると、そこにはすでに直立した蒼火さんの姿が。  「少し遅いですが、朝食をお持ちしましょうか?」  「……ええ、お願いします」  ため息混じりに言った。  着替えを手伝おうとする蒼火さんを追い出して、私はクローゼットの中のワンピースを着た。  少し経って朝食を持って来た蒼火さんに、私はいくつか気になる事を訊いてみた。  「義父さんと義母さんは?」  「お二人共お仕事です」  そうですか、と相槌を打つ。  「この朝食は蒼火さんが?」  「はい、この館には現在私とお嬢様しかおりませんから」  そうですか、と再び相槌を打つ。  「……食べますか?」  「は?……もしかして、お口に合いませんでしたか?」
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