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「私の考えてる事よ。執事だからしかたがないんだけど、敬語使うのって、私苦手なのよね~」
それは出会ってまだ間もない私でもわかる。ていうより、いくら私に言われたからって、すぐに敬語を使うのを止めたうえに、私(おじょうさま)の料理を食べてしまう人が、執事に向いてるとは思えない。
何でこの仕事に就いたのか、べつにメイドでもよかったんじゃないか、と訊いてみると。
「ちょうど執事を募集してたのよ」
なんかものすごく適当な理由だった。
「職業を選ぶ余裕があるご時世でもないしね……。それに私、メイドって柄じゃないし。あんなフリフリしたやつなんて、一生着れないわ」
確かに、と私は思う。昨夜あった時はクールな感じで執事もメイドも似合う感じだったけど、今じゃとてもじゃないけどメイド服姿が想像できない。執事としても、性格を考えるとアウトだろう。
「蒼火さんはこの仕事に就いて長いんですか?前に来た時にはいなかったと思うんですけど」
「二月の始めよ。あなたが帰ってきたのが正月だったから、一ヶ月後って事になるわね」
私が口を付けた紅茶を躊躇う事なく、豪快に音をたてながら飲む蒼火さん。
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