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「お義兄さんのために事件を起こしたくらいだもんね。私は兄弟がいないから気持ちがわからないけど、義兄の復讐で人を三人も殺す、それって綺麗で純粋な兄弟愛って言えるのかな?」
私は再度、アイスを口に運ぶ手を止めた。
何気ないその言葉に、重要な事を問われたような気がして、何となく視線を上げる事ができずただ問いの意味を考える。
私の反応を見て、蒼火さんはニッコリと笑う。
「お嬢様はあの二人に、警察から戻った後も友達であるよう、約束してたよね」
「私の周囲の事、どの程度調べたんですか?」
さっきは気にならなかったその疑問は、大切な二人の存在が出た瞬間、無意識に飛び出していた。
それを無視して、蒼火さんは続ける。
「謎を解いたポニーテールの娘が夏宮緋凪ちゃん。それで、性格は全然だけど人を大切にする所がどこと無く月花様似てるのが、冬谷蓮弥君よね」
バンッ!!テーブルの上のアイスティーが揺れた。
テーブルを叩いた私は、身を乗り出して再度訊いた。
「私の周囲の事、どの程度調べたんですか?」
声にも、視線にも、蒼火さんを威嚇するように、できるだけ威圧感を込める。
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