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確かに、今のままじゃ私が謎を解けば勝ち、できなければ負けというだけで、ルールと呼べるものはない。しかも圧倒的に私の有利だ。
何故なら、このままでゲームがスタートすれば、制限時間は無制限。つまり私が諦めない限り負けはなく、加えて今なら解くべき謎は”唄う女の子”の正体のみ。次の謎が起こる前にトリックが解ければゲーム終了だ。
他にも制限がなければ、私はその分有利になる。勝たなきゃならないゲームのプレイヤーとして簡単なのはいい事だけど、そんなのはゲームとは呼ばない。御遊びと言う。
「それじゃあゲームの説明を始めるわ。
まず制限時間は明日の正午。お嬢様も早くお友達と会いたいだろうから、制限時間も早い方がいいでしょ」
私は書庫の柱時計を見た。十一時が過ぎた所、大体残り二十五時間だ。
「お嬢様はその時間内で、遭遇した全ての謎を解く。だから全ての謎が出るのを待たなくても、途中で私を呼び出して謎解きし、正解すればクリア」
「それだと、私が今女の子の謎の真相を言えば、ゲームクリアになりますよ」
私の言葉に、蒼火さんは笑みを浮かべる。
「べつにいいわよ。でも、解けてないでしょ?」
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