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とりあえず、私は女の子が消えた廊下を調べる事にした。
それと、これからは女の子を混沌(カオス)と呼ぶ事にする。もしかしたら名前かもしれないと予想したからだ。
壁に書かれた赤い文字が気になりながらも、何か落ちてないか、混沌が残したものが他にないか、四つん這いになりながら慎重に探す。
肌寒いのは慣れたけど、今度は床が冷たい。気のせいか一段と息がしにくくなった。まるでここだけ酸素が少ないみたい。
急に誰かの視線を感じて、私は振り返った。でも視界に映るのは、カーテンが締め切られてるにも関わらず少しだけ明るい廊下と、均等に配置された部屋への扉だけ。そこには誰もいない。
”唄う女の子”。その名を思い出して、思わず身震いする。
首を勢いよく振って思考振り払い、私は立ち上がった。
「もう、何でお昼近いのにカーテンなんて閉めてるんですか」
気分を変えるために、独り言を口にしながら私はカーテンを開ける。
日の光が廊下を一部分だけ照らす。ついでに空気を入れ換えようと窓も開けて、窓を背にした。
再び視界に映る廊下。右側には扉が点々と。左側には赤い文字が書かれた壁と、日を遮るカーテンがある。
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