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今朝書庫に行くのにここを通った時、火が点いていなかった事を考えると、私が書庫の中にいてそう時間が経ってないうちに、火は点されたという事だ。
火を点けた犯人は簡単に推理できる。蒼火さんだ。この館には私と蒼火さんしかいないのだから。
問題なのは、何故彼女はカーテンを閉め蝋燭に火を点けたのか。
窓から吹き抜ける風が、私の髪を優しく揺らす。
……考えた結果は、『わからない』だった。謎は深まっただけで解決の光は、少しも私を照らしてくれない。
(……まあ、そう簡単に行くとは思ってませんでしたけどね……)
でも心のどこかでは、私も緋凪さんみたいにずばずばって、謎をいとも簡単に解けるって思ってたんだろう。
だからこそこんなに簡単に、こんなに早く落胆してしまってる。
私は胸ポケットから携帯を取り出した。さっき絶対使わないって誓った時電源を切ってしまった、このままじゃ役目を果たす事もできない小さな連絡手段。
誰に連絡するの?
脳内に突然現れた蒼火さんを、首をぶんぶんと横に振って中から追い出す。
これを使う事はできない。
使えばせっかく立ち向かったのに、また逃げる事になってしまうから。
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