回顧録2~少女が次に奏でるその唄は~

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 廊下を調べてるうちに、ある一つの事を思い出した。  混沌が消えた時、私は吸い寄せられるように消えた場所に歩いて行こうとした所を、蒼火さんに腕を掴まれて行けなかったんだけど、  その蒼火さんは、一体どこから現れたんだろう?  書庫から混沌が消えた場所は一直線だ。書庫から見ると右に曲がり角があって、そこを進めば一階に繋がる階段があるわけだけど、それはどうでもいい。  大切なのは、書庫までここは一直線だという事実であり、私の腕を気付かれずに掴むという事は、後ろからか最低隣に来なければそれはできないという状況であり、なら蒼火さんはこの廊下にある部屋に潜んでいた?という仮説である。  もしこの仮説が正しいのなら、何故彼女は潜んでいたのかという疑問が出てくるけど、その疑問こそが重要なのだ。  何故なら、そこには潜まなきゃいけなかったという理由が存在する事になり、  その理由は、真相に直結してる可能性があるからだ。  一つ謎が解ければ、それはひびとなり全てを明かす穴となる事もなる。  そうなる事を信じて、さっきから私は扉を開け続けている、んだけど……
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