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「男同士の決闘に水を差すんじゃねぇよ」
「どうせ魔に男も女も関係ないでしょっ!
ほら、早くきなさい。皆待たせているんだから」
それだけ言うと水魅はあっという間にどこかに去っていった。
「ちっ、また任務かよ。決着はお預けだな」
「………らしいな」
二人はお互いにため息を吐きながら帰路についた。
しばらく歩くと大きな洞穴のような場所が見えてきた。
何の躊躇いもなくその中に入っていく。
「遅いっ。何やっていたのよ?」
「服を乾かしていたんだよっ
だれかさんのせいでな」
入った瞬間に曦火と水魅が再び激突した。
ヤイバは小さく二回目のため息。
周りもため息やら黙って首を振る者、似たような反応だった。
二人がいつからこうやっていがみ合っているのか誰も覚えていないのである。
曦火が帰ってくる度に水魅とぶつかる、これで一体何回目なのだろうか。
「もうよい、そこまでにしてくれぬか?」
唐突に響き渡る威厳のある、且つ優しい声。
「はっ」
「はっ」
同じタイミングで二人が同じことを言って同じようにひざまづいた。
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