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だが、一番困惑したのはヤイバ自身だった。
「………僕に、つける権利はありません」
「何故だい?」
「僕はただの造魔です
たかが造魔が契約の仮面など………」
「ヤイバはただの造魔ではない。もっと誇りを持て」
それでもまだヤイバはどこか否定している雰囲気があった。
「だぁ、もう
さっさとつけやがれってんだよっ!」
ふいに曦火が仮面を取ると、無理矢理ヤイバの頭の上に乗せた。
「な、何を?」
「無理よ。曦火だって分かっているでしょ
契約の仮面は本人の意志がないとつけることができないって」
「だったらさっさと認めやがれってんだよ」
曦火は力を全く緩めない。
「造魔だの、なんだの言って本当はお前面倒ごとから逃げたいだけだろ?」
「………! そんなことはない、断じて」
「だったら受け入れろ。契約の仮面は色々と面倒が多いんだ
そりゃ造魔にも押しつけたくなるさ」
「………」
曦火には分からなかったが、他の者からすると、ヤイバの肩の力が抜けたように見えた。
「うおっ?」
契約の仮面が急にスポッとヤイバの頭にはまったのだ。
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