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そうか、そのことか……
お主はわしにそのことを問うのか。
……お主の問いに答えるのは、いささかわしには難儀なことだ。思い出したくないことを思い出させる。
……が、まあよい。わしの場合を話してやろう。お主には知ってもらった上で聞きたいことがある。
わしはとある街の大工をしておった。妻子もいてな、妻はわしにはすぎた美しいやつで、子の二人もわしには似ず頭がよくて、自慢の子たちだった。
その街は発展途上で、これからというときだった。そのため仕事の依頼がわんさかあって、毎日が忙しくも楽しかった。
あのころは本当に、良かった。
だがそこへ、まさに幸福を謳歌(オウカ)しているときに……忌々しくもやつらが突然にやってきた。
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