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とある城下町の隅に、小さな村がありました。
そこの外れにある森の中の川のほとりで少女が一人、自分の手を、腕を、洗っていました。
この辺りの地域では珍しい銀色の髪は、肩の上で無造作に切られていて、その上から更にバンダナの様なものをまいていました。
その下の少しつり目な瞳は、綺麗な緋色でした。
その長身で細身の少女は、ここから数十キロほど離れた山向こうの地域の服を着ていて、それはぼろぼろでした。
土で汚れたその服には目もくれず、少女はひたすら川の水で手を、腕を、洗い続けます。
腕は既に洗いすぎで赤くなっていて、それに気付いた少女は少し驚いた様子で洗うのを止めました。
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