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 目をとじて、バンダナの上から側頭部に触れてみると硬いものに当たった。  目を開けると、青空。 「――――」  突然の背後からの声に驚いて起き上がり、振り返ると、私よりも背の高い男の子がいた。  歳は同じくらいだろうか。  少し長めの髪は薄い水色で、白い肌に加えて一層華奢なイメージを与える。  服も淡色で、でも上品な感じがした。  なんだかきれいな人だな……。  私とは世界が違うのかもしれない。 「お前は此処にいるべきじゃ――」  脳裏に響く記憶の中の声、聞きたくない言葉。  無意識にバンダナの上から側頭部に触れていた。  我に返って目線を前に移すと、そこの茂みにその人はまだいた。  固まってしまったように、微動だにしないその姿がなぜかおかしくて笑ってしまう。  それを見たその人は少し目を見開いて、一瞬ためらうように口を開いてから、川下に、山とは反対の方向にかけていった。
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