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 駆けていったその少年を、私は無意識に追いかけようとしていた。  気付けば少ない荷物を肩に掛け、少年が消えた方向、大きな城がそびえ立つ方向へと走り出していた。  森の中を走って少年の背中を見失ったのは、そのすぐ後だった。  探知でもしようかと思った時、少し向こうから話し声が聞こえてきた。  若い少年と老人のようだ。  さっきの人だといいな、と、少なからず期待した。  しばらく走って、木に登って声の主を見る。  期待は裏切られず、老人は、彼の付き人のようだった。  短めの白髪に眼鏡と黒い執事服が似合う、紳士な雰囲気が漂う人だった。  二人はどうやら、明るい雰囲気ではないようで。  少年は気まずそうに目をふせていた。
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