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少女は唄うように言う。
わたしはしにたいわけじゃないの だってわたしはわたしのことがだいすきだもの
ただ消えてなくなりたいのだわ あとかたもなくだれのきおくにも残らずに
まるでしあわせな夢を語るようだったから男は一瞬反応が遅れる。
…其れは、
そのままの意味よ あなたはばかなの?
少女は男に辛辣な言葉を投げ付けながらも深く笑む。
だって、わたしがいなくなったあとにわたしのきおくだけが残るだなんてきもちがわるいじゃない
しかし、寂しくないか
どうして?
私はお前の事を忘れたくは無い
そう男が言うと、少女は大きな目を丸くする。そして声を上げて笑う。
あはは あなたがそんなこというなんて
少女は笑う。少女は泣く。
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