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普通なら驚くであろう事態に、なぜかあまり驚くこともせずに消しゴムくんを手に取った。
精神的に弱りきった頭の中では、
『あぁ…きっと悪いこと続けなあたしのために神様が友人を与えてくれたんだなぁ…』
と、暢気に考えて片付けることにした。
消しゴムくんを拾ってから机に戻る時に柱の角で足の小指をぶつけた痛みのおかげで夢ではないと判明した。
おめでたい頭である。
あたしは消しゴムくんを机に乗せるとやや考えながらもゆっくりと話しかけた。
「あたし、五條皐。今からレポートを急いでやりたいんだけど、力を貸してくれない?」
普通なら馬鹿げた行為とは思うがかなり真剣だった。
「おう! ええよ!」
消しゴムくんはピンクのシャーペンをチラチラと見ながらやや恥ずかしそうに言った。
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