第二章

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   どうやら社君は雨宮親衛隊長がしていることが全て、目の前の見るからに馬鹿っぽい七人に脅されてのことだと勘違いしているらしい。  いやいや、それは違うぞ社君よ。目の前の七人の顔をよく見てみなさい。不細工というわけではないが、お世辞にもインテリっぽいとは言えないでしょうが。雨宮親衛隊長の方が何百倍も賢そうじゃないですか。むしろ利用してるのは雨宮親衛隊長の方でしょう。  だがしかし、雨宮親衛隊長と仲良くなりたくて仕方ない社君は絶対に雨宮親衛隊長をヨイショする姿勢を崩そうとしない。 「全部、全部解決したらきっと、黎司もきっと友達になってくれる」  くれるわけないでしょうが。社君が会長のお気に入りであり続ける以上、雨宮親衛隊長とは相容れないだろうね。王道的オメデタイ思考の社君は、カラフル七人衆をやっつければRPG的に全てが上手く解決すると信じて疑わない。  くそう、こうも無垢だと真実を伝えるのが憚られるぜ。 「ではではー、早速一条ちゃんと転入生君には頑張って頂きたいと思いまーす。どうする? とりあえず服脱いでみる?」 「うはぁ、一条ちゃんのストリップとかマジ興奮するんですけど」 「野球拳も捨てがたくね?」 「オレ一条ちゃん剥がすのやりたーい!」 「待て待て、お前ら順番だぞ!」  何が順番なんだよ。アホか。  
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