第二章

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   下品な笑い声を無遠慮にばら蒔きまくっているカラフル七人衆に、主に社君が怒りを隠せていない。腕捲りするのはやめなさい。何か本気みたいなんですけど。どうしよう、多分社君めちゃくちゃ喧嘩強いのに。暴走したら……置いて逃げようか。 「一条ちゃーん、ほらほら、早く脱いで脱いで」 「ちっちゃいお尻見してー」 「転入生君はこっちでオレらと遊ぼうねー?」 「安心しなよ、オレらお顔に傷付けたりしないからさー」 「おい! お前ら終わったら一条ちゃん貸せよな。オレらも一条ちゃんのちっちゃいお尻堪能したいわ」 「何ならそのちっちゃいお口でもいいけどさー」  ……やめた。社君が暴走したら僕も加わろう。んでボコボコにしよう。事あるごとにちっちゃいちっちゃい言いやがって。マジ許せねぇし。  隣を見ると、気合い満々な社君は唇を噛み締めて震えていた。 「コイツら湊まで……大丈夫だ湊、湊は俺が守るから」  あなたは死なないっていう。だって私が守るっていうって喧しいわ!  一人エヴァやってる間に、気付いたら僕達の目の前には意外と大柄だったカラフル七人衆の壁。何かエグいな。 「んじゃ、オレらと楽しいことしようず」 「ず派ですか。いえ、そんなことはどうでもいい。貴様らは先程、あろうことか紳士の身体的特徴に触れましたね? ──五体満足に明日を迎えられると思うなよ」  
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