第二章

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  「あーあ……あやととみなと、まだ怒ってるかな……」 「知らん。興味も無い」 「そんなこと言って、みかどってば朝からずっと二人のこと考えてるクセに。……そうだ! 今晩ディナーの時二人に謝るんだぞ! そうすれば……」 「待て。何故そうなる」  むしろ謝るのは向こうだろ。キス以外何もしてないのにフォーク投げられたし腹蹴られたし。今更だがよく考えたら一番の被害者俺じゃね? 「だって、友達はいっぱいいた方がいいんだぞ」 「いらん。煩わしいだけだ」 「みかどってばいつっもそればっかり。そんなんじゃ駄目だぞ。だいたい……」 「いらんと言っている。貴様、何様のつもりだ」  帝は基本的に他人からの干渉を快く思わなかった。いくら南といえども、そんなことを言われる筋合いは無い。社絢斗は問答無用で連れ帰るし、頭を下げるなんてプライドが許さない。親にも下げない頭だ。たかが一般生徒ごときに下げるとか、ちょっと我慢ならん。 「……学園内を見回って来る。貴様、代わりに承認のサインをしておけ」 「ちょ、それはみかどがやらないと──」  あーあー聞こえなーい。  重厚な両開き扉が一際大きな音を立て、後ろから帝を責め立てる南の声をシャットアウトした。へっ。ざまーみろ。  
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