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会長は凄くイラついているみたいで、腕組みをして緑の芝生の上に無数に散らばる花弁を睨み付けている。
「何なんだ、貴様は」
次の瞬間には、僕が睨まれていた。え、社君は?
「昨日もそうだ。どうして俺の邪魔ばかりする」
「いえ、別に会長の邪魔をしたいわけでは……」
「社絢斗のことといい、屋上をこんなにしてくれたことといい……。俺は気が長い方ではない。どうして二人でここにいたのか、洗いざらい吐け」
美形が怒ると迫力あるよね。さて、どうするか。洗いざらいぶちまけちゃえば楽っちゃあ楽なのだが、どうも告げ口するみたいで気が進まないんだよな。
誰も何も喋らない。凄く気まずい空気が屋上を支配した。
「……なぁ、会長。雨宮黎司って知ってるか?」
僕がどうすべきか思案を巡らせていた丁度その時、世紀の茶番劇を終えてから沈黙していた社君が唐突に口を開いた。何をする気かは知らないけど、だからといって僕が何を出来るわけでもないので社君に任せてみようかしら。
「何を言い出すかと思えば……今は俺が質問していた筈だが、」
「いいから。頼む、答えて。雨宮黎司って人、会長は知ってる?」
「……知ってる、がそれがどうかしたか」
「じゃあ、どんな奴か知ってる?」
「金髪碧眼だろう。確かEクラスの生徒だった筈だ」
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