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「コイツはアキ。黒瀬 暁臣(くろせ あきおみ)。同じクラスの奴で、寮の同室者なんだ」
やはり彼だったか。
僕が何したよ、と思わず尋ねたくなるくらい睨まれています。理不尽。むしろ僕ハムサンド食べられてますけど。実は被害者ですけどと主張したい。世知辛いね。
くすんだ灰色の頭には所々金色のメッシュが入っていて、髪型には詳しくないというより疎い僕には断言出来ないのだが、確かウルフとかそんな感じの名前の髪型。僕から見て左側が長くて右側は短めで、いわゆるアシメという奴である。そのくらいは知ってる。
切れ長の二重にはギラギラとした光が見え隠れしていて、肉食獣を彷彿とさせる。いつでも食ったるで、みたいな。何てワイルドな。現代の美的価値観において顔面のバランスが抜きん出てイケている、いわゆるイケメンである。背も高いしモデルみたい。この学園本当にイケメンか可愛いかの両極端だな。平凡受け大好きなのに。
「……テメェ。何馴れ馴れしく絢斗に話し掛けてやがる」
はぎゃああうわああ!
思わず血を吹き出しそうになってしまった僕を誰が責められようか。独占欲丸出しの黒瀬君は、社君を後ろからすっぽりと抱え込むようにして僕を睨んでいる。
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