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朔夜は立場上風紀を乱す者は取り締まらなくてはならない。それが仕事だし。でもね、朔夜さん。どうか僕を挟んで黒瀬君に喧嘩をふっかけるのは勘弁して下さい。二人とも背が高いから頭の上で言葉が行き交うような感じで、凄く惨めな気分。
「なぁ、湊。その人誰だ?」
不思議そうに黒瀬君の腕の中で首を傾げる社君。何だか字面だけ見るとエロいな。真っ昼間から何考えてんだ僕は。
「こちらは藍染院朔夜。僕が副委員長を務めさせて頂いている風紀委員会の委員長です」
「すっげー男前だな! えっと、転入してきた社絢斗です。まだ慣れないことばっかで迷惑かけるかもだけどよろしく」
「あぁ、よろしく頼む。ここは少し特殊だからな。慣れるまで大変だろうが、何かあったら遠慮無く頼ってくれて構わない」
僕と社君よりかなり高い位置で黒瀬君と睨み合っていた朔夜だったが、社君がぺこりとお辞儀をしたのを見て目線だけ流して返事をしていた。是非とも仲良くしてくれ。そして朔夜をメロメロにしてあげてくれ。僕が悦ぶから(決して変換ミスではない)。
「で? 一条風紀副委員長様は何で絢斗と知り合いなわけだよ」
吐き捨てるように舌打ちを一つ。黒瀬君は眉をひそめて未だに僕を睨んでいるわけで。やめて。それ以上睨まれると繊細なマイハートがもれなく崩壊する事態に直面してしまう。
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