第一章

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   「そうか」とまるで無関心な朔夜に、「何でこんな奴等と……」とかぶつぶつ言っている黒瀬君。何だかいたたまれない空気が漂い始めた為、早々に授業に戻ることにする。 「では、僕達は授業に戻りますね。朔夜、そろそろ行きましょう」  社君から黒瀬君へ視線を戻して、再び黒瀬君と睨み合い始めた朔夜のブレザーの袖を引っ張って合図をする。 「またな湊。あ、じゃあさ、晩飯一緒に行こうぜ!」 「なっ! 絢斗! 何であんな奴等誘ってんだよ!」  始終にこにことしていた社君とどこか慌てた様子の黒瀬君を見ていると、これから起こる王道イベントが自然と思われてニヤつきそうになるのを堪えるのに必死だった。  そうだ。授業に戻る前に、黒瀬君にプレゼントを贈ることにしよう。お近づきのしるしという奴だ。 「黒瀬君。これ、あげます」 「あ? いらね……っ、そのハムサンド……っ!」 「お近づきのしるしに、です。遠慮なさらず食べて下さって構いませんよ?」  途端に真っ赤になった黒瀬君が半端無く可愛いです。萌えまくりです。不良が意外と初なのはもはや鉄板である。黒瀬君は間違いなくタチだろうけど、ツンデレ強気不良受けとかごちそうさまですみたいな。黒瀬君受けに目覚めないかな。  
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