第一章

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   仕方ないじゃない! 社君と会長のあれこれを妄想してたら交感神経が仕事をし過ぎた結果アドレナリンが過剰に分泌されて以下略。つまる所めちゃくちゃ興奮しているってことです。 「おい。そんな隅に踞って震えてないで、早い所二人と合流するぞ」  異論は無い。早く二人と合流して萌えイベントを堪能……って、あ。 「ジーザス! 僕としたことが、一端の腐男子としてあるまじき失態……!」 「何だ。今度は何がどうしたと言うんだ」 「恥ずかしながら、携帯を部屋に忘れてしまいました」 「そんなことか。別にただ食事をするだけだ。少しの間くらい問題無いだろう」 「そんなこと? 今あなたそんなことって言ったんですか? 僕にとっては死活問題なんですが」 「何故……そうか。カメラか」  ご名答。  携帯電話にカメラ機能がデフォとなりつつある現代社会。僕の携帯電話にももちろんカメラ機能は備わっていて、社君に降りかかる王道イベントをあわよくばムービーで撮影しようと意気込んでいたというのに。 「ガッデム! ブルシット! バルサミコ酢!」 「落ち着け。喚き散らすんじゃない。それに最後のはこ洒落た調味料だ」  随分と的確な突っ込み。僕は肩を落とすしかない。何で忘れて来たんだろう。僕の馬鹿。  
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