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だって、だってだってだって。こんな王道学園に王道転入生が来ないわけがないじゃない!
願望としては、転入生はどこかの族のトップであまりにも愛らしいその容姿の為に実は叔父である理事長が変装を促し、その変装がバリバリのオタクルックでみたいな王道展開だったらそれだけでご飯三杯いけるわけですよ。それで王道生徒会の方々とたった1日でキスまで辿り着いてくれたら僕はもうっ!
「湊。よだれ」
「すみません」
じゅるり。そしてきりっ。
まぁ、二年生になった今でも、僕がどうしようもない馬鹿だということを除けば不思議なくらい平和な聖漣学園である。こんなにも平和を謳歌出来るなんて──
「だれ……っ……たす……」
──残念ながら謳歌出来るだけの平和はお亡くなりになられてしまったようで、とは言ってもこの学園においては別段珍しいことでもないのだが、誰かが助けを求める声を兎並みと評判の僕の耳が捉えた。地獄耳とも言う。でも誰かが兎って言ってたからそっちの方が可愛いし遠慮なく使わせて頂いている次第である。そんなことはどうでもいいんだ。
「近いところで誰かが助けを求めているようです。またですね」
「俺はいつも思うんだがな。この学園の生徒はスタンガンなりサバイバルナイフなり常に携帯しておくべきじゃなかろうか」
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