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「みなとーっ!」
「テメ、一条っ! 絢斗に抱き着かれてんじゃねぇっ!」
黒瀬君、それは社君に言ってくれないか。食堂では影が薄かった黒瀬君だったが、どうやら復活らしい。下手に動かないでいてくれたから助かった。でも今は早く動いて欲しい。このおんぶお化けをどうにかしてくれ。
★ ★ ★
さて。と言うわけで、とりあえず一段落。
四人で歩く寮までの道のりはいつもより長く感じた。きっと待ちきれなかったからだろう。何をって、そりゃあ朔夜の携帯電話しかないでしょう。
「迅速に携帯を寄越しなさい」
「携帯を渡すのに迅速もクソもあるか。ほれ」
上等な革があしらってあるふかふかのソファーに腰を下ろし、キッチンでごそごそしている朔夜を呼んで用件を伝えた。投げ渡された携帯電話を受け取り、ムービーを添付して僕の携帯電話宛にメール送信。これで暫くは萌えに困らないな。
「だから無表情でガッツポーズは止めろと何度言ったら」
気にしない。今まで我慢してきた分盛大にガッツポーズしてやった。
収穫が多すぎてホクホクですわ。新年度早々何という運の良さ。会長はムカつくけど副会長は可愛いし、会計と書記は目立たなかったけど彼らには王道のかほりが立ち込めている。もっと別の機会に社君と接触して貰いたい所である。
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