第一章

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   所変わって只今学生寮の自室。改めて、ルームメイトは朔夜。前述したソファーを筆頭に、質に入れたら半年は余裕で暮らせそうな家具を取り揃えた贅沢な造りとなっている。無駄に広い。高等部からは全寮制で、僕は高等部からの外部生だったからどんな物だろうとドキドキしたものだったが、とりあえず度肝を抜かれたというのが率直な感想。これが王道の力か、と王道の偉大さを再認識した記憶は割と鮮明だ。  閑話休題。  さて、唯一の気掛かりを挙げるとするなら、言うまでもなく明日からの親衛隊の挙動である。  会長に蹴りまで入れてしまった為、とりあえずは覚悟を決めておかなければならないか。社君のフォーク事件をうやむやに出来るくらいのインパクトを与えなければ、と考えた時、真っ先に浮かんだのが暴力なのだから仕方ない。今はもう少し派手にやった方が良かったのかも知れないとも思っている。 「で? 明日から面倒なことになりそうだが、どうだ。何か考えてあるのか?」 「ぶっちゃけ考えてないです」 「ぶっちゃけたな」 「まぁ、嫌がらせ程度なら支障ありません。自分で何とかします。ただ、朔夜も社君には細心注意を払っておいて下さい。多分僕よりは彼が狙われますから」 「そうだな。風紀に手を出す馬鹿はそういないだろうし、社は外見がああだから余計に狙われるか。面倒だ」  
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