第二章

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     ★ ★ ★  じりりりりりりりり!  うるさい。削ぎ落とすぞ。  はっ、眠たさのあまり目覚まし時計にマジギレしてしまった。恥ずかしい!  ……と言うわけで親愛なるお仲間、全世界の腐った人達に通達。おはよう。どうせ届かないわけですが。 「湊、起きろ。飯にするぞ」  この部屋の料理担当である朔夜から起床を促す声が掛かった。相変わらず朝に強い奴だな。僕は朝がまるで駄目なのでそこは尊敬している。支度に人より時間を要する僕なのだが、どうにも朝は駄目だ。力が入らん。 「今行きます」  ガラガラの声に自分でも驚きながら、服だけ制服に着替えて朝食を摂りに行く。今日のメニューは何だろう。  うん。美味い。  本日も素晴らしいお手前でございますね朔夜さん。あんたどこに嫁に出しても恥ずかしくないよ。  そのことを告げたらがっつり睨まれた。こわいこわい。ほんの冗談なのに。 「食い終えたら支度をしてこい。今日は早めに出るんだろう?」  おお、すっかり失念していた。  昨日の今日でどれほどの騒ぎになっているかは分からないが、早め早めに対策を講じておいて損は無い筈だ。社君の被害状況も気になる所だし、風紀として迅速な対応も求められるだろう。果てしなく面倒だが。王道の為だ。甘んじて受け入れようじゃないの。  
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