第二章

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   ごちそうさま。味噌汁も魚も美味しかったし、俄然やる気出てきた。 「すみません、もしかしたら待たせることになるかもしれませんがそこは了承しなさい」 「何故後半は高圧的なんだ」  寝起きで頭が回ってないんだよ。ごめんって。  ダイニングから再び退出。ちょっくら支度をして参ります。    ★ ★ ★  うるせー。少し黙れ。  ……申し訳ない。取り乱した。 「あれだよあれ。例の転入生」 「何でも神薙木会長に怪我させたとかって」 「許せないよね」 「そう言えば風紀の副委員長も会長に喧嘩売ったとかって聞いたけど」 「いくら風紀でも危ないんじゃない? 会長の親衛隊は過激だって聞くし」  人の口に戸は何とやら。瞬く間に広まった噂のお陰で、僕達四人は朝っぱらから注目を浴びまくっている。隣では社君が申し訳なさそうに縮こまっていた。 「ごめんな湊? 俺のせいで湊まで……」  さっきから一定のペースで耳に入ってくる謝罪の言葉に、僕は大いに辟易していた。気にするなと言えば言うほど、社君は気を遣われていると感じるのかペコペコ謝ってくるわけだ。黒瀬君が非常に面白くなさそうな顔で囁き合う外野に睨みをきかせている。時たま僕まで睨まれてしまうから本当に困ったものだ。転入生に番犬とか王道過ぎてもうね。正直萌える。  
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