第二章

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  「みなさん、おはようございますなのです!」  いるよね。人が凹んでいる時に限って高いテンションではしゃぎ回る空気読めない人種。だがこの人の登場で空気が少し和んだのでよしとする。 「あらら? みなさん元気がありませんですよ? 朝の挨拶は清く正しく美しくが基本なのです!」  最後、何かが違う。  さて、この人もいちいち突っ込んでいたら日が暮れてしまうので割愛。我がクラスの担任は、分かりやすく形容すればいわゆる《ショタっ子》という奴である。王道ホスト教師はAクラス、つまりは社君や黒瀬君のクラスの担任だから仕方ない。ショタっ子教師ってよく考えてみると結構新しい領域なのかもしれない。ちなみに僕と朔夜は昨年もお世話になった。  Bクラス担任森泉 陽澄(もりいずみ はるすみ)。ぴょんぴょんと跳ねるように出席を取るその姿は副会長を彷彿とさせるが、こちらは副会長よりもう少しスモールサイズ。マロンブラウンの髪は副会長と同じく猫っ毛でもふもふしたくなる質感。保険医辺りに是非とも盛大にもふもふして頂きたい。  黄色いチェック柄のカッターシャツに黒のカーディガンを羽織っていて、スラックスも黒。ダボダボのスラックスを引き摺るミニマムな体躯に、頬を紅潮させる犯罪者予備軍がちらほら。頼むから犯罪は勘弁してくれ。明らかにデカい黒縁の眼鏡を小まめに押し上げながら、何やら背伸びをして懸命に板書していた。  
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