第二章

7/70

2437人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
  「今日は朝礼の時間を使って、毎年恒例の遠足の話をしたいと思うのですよ」  かつかつ、と白いチョークが黒板を叩く。足下を見ると、やはり背伸びをしているようだった。 「皆さんお待ちかねの遠足ですが、今年はなんと! とあるサファリパークを貸し切って三学年ともそこを訪れる予定なのですー!」  なのですーなのですーなのですー(エコー)。  うおおおおおおお!  こちらは面倒なのでエコーはカットさせて頂きました。図体ばかりがデカい奴はこういう時に決まって無意味な雄叫びを上げるから困る。だって野太いんだもん。鼓膜にも心臓にもよろしくない。 「しおりを配布するのですー」  しおりを受け取ったのですー。  いい感じに死にたくなってきた所で、ざっと手元のしおりに目を通す。さて、今年の遠足はサファリパークらしい。そしてどうやらそれは二週間後らしい。 「……今年も休んだら流石に怒られますかね?」 「いや、何とも言えん。とりあえず森泉に尋ねてみたら──」 「藍染院君、きちんと先生をつけるのですよ! それと一条君は休んだら承知しないのです。去年はしてやられましたからね。今年は逃がさないのですよ」 「……だそうだぞ、湊」  うへー。めんどっちぃのう。  
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2437人が本棚に入れています
本棚に追加