第二章

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   親衛隊とのトラブルも王道まっしぐらで僕としてはどんと来いなのだが、今朝ちらと耳にした会長の親衛隊は過激という情報が気掛かりだ。過激ってどういう風に過激なんだろう。  それとなく朔夜に尋ねると、 「生徒会親衛隊という一つの纏まった組織の中で、更に会長親衛隊副会長親衛隊という具合に枝分かれしているらしい。その中でも会長親衛隊は色々凄まじいぞ。何度か親衛隊絡みのトラブルの対処に当たったことがあるが……もう二度と御免だ」  ……不安は増すばかりである。  朔夜にここまで言わせるって相当だな。どんなやんちゃさんの集まりだよ。おいたしちゃ嫌です。  上等な紅茶片手に執事を従えたお嬢様が優雅なティータイムを満喫するにはうってつけだが、男四人で胡座をかいて弁当を貪るのにはちょっとアレな屋上。もちろん屋上も学園の設備に分類されるので、ドアにはバーコードを読み取る四角いアレが付いているわけで、すなわちこの屋上には社君曰くの魔法のカードが無いと立ち入ることが出来ないということだ。  そのはずだったんだがなぁ。 「あれぇ? 皆さんお揃いでお弁当ですかぁ?」  肩が跳ねたのは、何も来訪者を全く考慮していなかったからというだけではない。媚びてます私超媚びてますと言わんばかりの猫なで声が、この上なく気色悪かった為でもある。むしろそっちが主な理由。  
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